《ふしぎ工房症候群 妹の遺言》6
ふしぎ工房症候群
《妹の遺言 》
CAST:岸尾大辅
7.衝動
妹と手を繋いで、夜の街を当てもなく歩いた。ネオンの中を歩く、まだ年若い兄と幼い妹、行き交う人々が好奇の目で見ている、でも、そんなことはもう気にならない、妹は本当に嬉しそうだ、その妹を見て僕も幸せに浸る、僕たちは幸福の真っ只中にいる、そんな気さえしてくる、この時間が永遠に続けばいいのに。町を抜けて公園に出た、空が澄み切って星空が広がていた、妹がきれいと言った。僕は妹を抱き寄せ、空を見上げた。本当だ、本当にきれいだな、妹は僕の顔を見て、にっこりすると、お兄ちゃん大好きと言った。そうだ、ブランコに乗ろう、僕は立ち上がると妹の手を引き、二人でブランコに乗った、膝の上に妹を乗せて、こうしてブランコを漕いでいたら、ふと母と三人でいた遊園地のメリーゴラウンドを思い出した。久しぶりだな、妹も分かっているようだった、僕の膝の上で無邪気にはしゃぐ妹の姿に僕は涙が止まらなくなった。しばらくして、二人でベンチに腰掛けた、夜風で体が冷え込んできているのが分かる、僕は自動販売機で買ったホットココアを妹に渡した、妹はそれを受け取って暖かいと言って、両手の中で転がした。僕はホットコーヒーだった、二人で意味もなく乾杯して、笑った。遠くにサイレンの音が聞こえる、飲み物で体の中から温まってきたころ、僕は静かに言った、兄ちゃんと一緒にいたいか、妹はうんと言った、兄ちゃんとどこまでも一緒に来るか、妹はまたうんと言った、僕がしゃがんで背中を出すと、飛び乗ってきた。誰にも邪魔されないところに行こうな。僕はそう言いながら、目の前に川にざぶざぶと足を踏み入れた、進む度に水位が上がってくる、妹が怖いと言った、腰まで浸かったところで、寒いと言った、肩まで使ったら、冷たいと言った。がむしゃらに首にしがみついてきた、後一歩踏み出してところで、お兄ちゃん、苦しいと叫んだ。ごぼという音が聞こえた、僕は我に返った、妹の頭は水面の下だった。ああああ!!!
07-衝動
和妹妹手拉着手,漫无目的地走在夜晚的街道上。还很年轻的哥哥,和幼小的妹妹无所事事地走着,来往的人们用好奇的眼神看着我们,但是那些我已经不在意了,妹妹看上去真的很高兴。看着那样的妹妹,我也沉浸在了幸福之中。我甚至觉得我们正站在幸福的中央。要是这样的时间能永远持续下去就好了,穿过街道,来到了公园。天色澄净,星空广阔,妹妹说“好漂亮。”我抱过妹妹,仰望天空,“真的啊,真的好漂亮。”妹妹看着我的脸,笑着说“哥哥,最喜欢你!”“对了,我们荡秋千吧。”我站起来拉过妹妹的手,两个人坐上了秋千。让妹妹坐在膝上,这样荡着秋千,忽然想起了和母亲一起去游乐园时的旋转木马。久违了啊。妹妹好象也明白了的样子,看着在膝上单纯地撒娇的妹妹,我的眼泪止不住了。
过了一会儿,两个人坐到了长椅子上,夜风会让身体着凉,我把在自动贩卖机买的热可可递给了妹妹。妹妹接过说“好温暖”,让杯子在两只手之间转动。我的是热咖啡。两个人无谓地干杯,然后笑了起来。远处传来了警笛的声音,在饮料让全身都温暖起来的时候,我轻轻地说“想和哥哥在一起么?”妹妹说“恩”“无论哪里都和哥哥一起去么?”妹妹又说“恩”我蹲下来让她骑在背上,她就跳上来了“我们去没有人打扰的地方吧。”
我一边这样说着,一边向眼前的河里走去。每前进一步,水就漫上来一点。妹妹说“害怕。”当水漫到腰间的时候说“好冷。”到肩的时候说着“水好凉”,紧紧搂住我的脖子不放,再往前踏一步“哥哥,好痛苦。”妹妹喊了起来。听到了咕咚一声,我清醒过来的时候,妹妹的头部已经在水面以下了。“啊……”